
阿波に脈々と受け継がれる、藍。
徳島県を東西に流れる吉野川は、かつては毎年氾濫する暴れ川でした。
それによって上流から運ばれる肥沃な土が、多くの肥料を要する藍の連作を可能にしました。
江戸時代には阿波藩は藍染めの元となる藍染料「蒅(すくも)」づくりの本場として栄え「藍と言えば阿波」と言われるほどになりました。
アワガミファクトリーのある山川町は吉野川の南岸に位置し、古くから藍の栽培がさかんな地域でした。
しかし、明治期にはインド藍の輸入や合成藍の工業生産がはじまり、阿波藍の生産は急激に衰退してしまいました。
けれどもその後も細々と需要は続いており、昭和40年頃より民藝運動が起こり、また植物藍の良さも再度見直され、現在にいたっています。

和紙を藍で染める。
アワガミファクトリーでは、先代の藤森実が古来の記録を元に藍染和紙を再現化しました。
布と異なり、どんなに強い和紙でも何回も藍の液に漬けたり水洗いをすると破れてしまいます。
妻の藤森ツネとともに、現代のニーズに応じた藍染め和紙の開発と品質の安定化のためにさまざまな試行錯誤を行い、独自のパターンも多く生み出してきました。 その技術は受け継がれ、より美しく、より時代に求められる素材を追求し、さまざまなシーンでアワガミの藍染和紙をご利用いただいています。
